睡眠時無呼吸症候群
心拍変動のサーカディアンリズム(日内変動)

自律神経機能は、一日中一定の緊張を維持するわけではなく、大きな日内変動(サーカディアンリズムcircadian rhy)を示す。
周波数領域のLF成分のパワースペクトルは日中の身体的、精神的活動そして体位など種々の外的要因により影響を受ける。また、夜間には0.05Hz以下のゆっくりした周波数変動が見られる。つまり、心拍変動の日内変動には周期的変動と非周期的変動がある。夜間の心拍変動は副交感神経を介した高周波数の呼吸性変動の増加が特徴をなす。
夜間の自律神経活動は交感神経と副交感神経の両者の変動によって形成され、睡眠ステージによって、神経活動に差があることが推測される。
覚醒と同時に交感神経活性は高まり、夜間に見られた副交感神経活性の亢進が減衰する。健常者における心拍変動の日内変動をみると、夜間は心拍変動のトータルパワーが減少し、HF成分(0.2-0.35Hz)は増加し、LF成分(0.05-0.2Hz)は減少する。
日内変動は年齢によっても影響を受け、加齢とともに自律神経系の反応は減少する。

図 健常者日常生活中の24時間心拍変動

 上図の説明:睡眠中LF成分は低下し、HF成分は上昇する。つまり夜間は副交感神経活動が活発になり、交感神経活動が沈静化する。

 


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